ここ数年、自宅のインターネットに光回線ではなく、モバイルWi-Fiルーターを検討する人が増えてきました。WiMAXやポケットWi-Fiなどか表記が違うので
「何がどう違うの?」と、混乱した経験がある人もいますよね。
実はこの2つの通信機器は、通信規格や通信速度、対応エリア、月額料金などサービスの内容にかなり違いがあります。WiMAXとポケットWi-Fiの違いと失敗しない選び方を詳しく解説します。
この記事でわかること
同じようで全然別物!WiMAXとポケットWifiの違い
回線工事が不要で、持ち運びができる便利な通信機器という点では、WiMAXもポケットWi-Fiも同じです。しかし、この2つは似ているようで全然違う通信サービスです。
「どっちも大した違いがないのでしょ?」と、深く考えずに選んでしまうとあとで後悔する羽目に…。
WiMAXとポケットWi-Fiで下記の違いをまとめてみました。
- 通信規格
- 通信速度
- 対応エリア
- 料金プラン
- 速度制限
「光回線からモバイルWi-Fiルーターに乗り換えたい」
「2つの違いを理解して使い勝手がいい方を選びたい!」という人は参考にしてみてください。
通信規格
WiMAX
WiMAXとは、KDDIの系列会社UQコミュニケーションズが提供するモバイルWi-Fiルーターのこと。WiMAXという通信規格に対応していて、それが製品名として認知されています。
WiMAXは厳密に言うと、旧世代のWiMAXと2013年に提供が開始された新世代のWiMAX2+と2種類あります。しかし、現在主流となっているのはWiMAX2+。
旧世代のWiMAXは、2020年3月にサービス終了を予定しています。この記事で説明するWiMAXとは、WiMAX2+のことと思ってください。
ポケットWi-Fi
ポケットWi-Fiとは、正しくはソフトバンクの系列会社ワイモバイル(旧イーモバイル)が登録商標しているモバイルWi-Fiルーターのことをさします。LTE、AXGPという通信規格に対応したソフトバンクの回線です。
通信速度
WiMAX
WiMAXも通信機器の機種により通信速度が異なりますが、最大通信速度は220~758Mbps。とにかく速さにこだわりたい人は、通信速度が速い機種が多いWiMAXの方がおすすめです。
ポケットWi-Fi
通信機器の機種によりばらつきはありますが、最大通信速度は110~612Mbps。
接続エリア
WiMAX
WiMAXの利用エリアはまだ都市部が中心です。地方や山間部の利用エリアも拡大していますが、一部使えないエリアもあります。申し込みの前にUQWiMAXの公式サイトから自分の住んでいるエリアで使えるか必ず確認しましょう。
ポケットWi-Fi
ソフトバンクの回線を利用しているため、山間部や地方を含めて全国で99%のエリアで利用可能です。住宅地だったら全国どこでも使えると考えてよいでしょう。
通信品質も高いため、地下や高層ビルなど建物が密集している電波がつながりにくいエリアでもストレスなくインターネットが利用できます。
代表的なプロバイダの料金プランと速度制限
2018年12月時点でWiMAXのプロバイダは26社。だいたいどこのプロバイダも1ヶ月の通信量7GBのプランと無制限の使い放題プランを2種類用意しています。
また、通信量の上限を超えたときの速度制限のルールもどのプロバイダもほぼ同じです。1ヶ月の通信量が7GBのプランは、7GB超えた時点で低速化。
無制限の使い放題プランも3日間の通信量が10GB超えた場合は、翌日の夕方18時から夜中の2時まで通信速度が約1Mbpsに落ち込みます。本家本元のUQ WiMAXも含めて人気が高いプロバイダの月額料金をご紹介します。
UQ WiMAX
・1ヶ月の通信量7GBのUQ Flatツープラス:月額3696円
・無制限のUQ Flat ツープラス:月額4380円
Broad WiMAX
・1ヶ月の通信量7GBのライトプラン:月額2726~3326円
・無制限のギガ放題プラン:月額2726~3411円
GMOとくとくBB
・1ヶ月の通信量7GBの通常プラン:月額3609円
・無制限のギガ放題プラン:月額3609~4263円
BIGLOBE WiMAX
・1ヶ月の通信量7GBのFlatツープラス:月額3145~4195円
・無制限の Flat ツープラス ギガ放題:月額3145~4880円
・ポケットWi-Fi
代表的なプロバイダに、ワイモバイルとYahoo!Wi-Fi、ネクストモバイルなどあります。この3つのプロバイダの代表的な料金プランをまとめてみました。
ワイモバイル
・1ヶ月の通信量5GBのPoket WiFiプラン2 ライト:月額2480~4480円
・1ヶ月の通信量7GBのPoket WiFiプラン2(※):月額3696~5696円
※月額648円のアドバンスオプションに加入すれば毎月無制限で利用可能。
料金プランごとに設けられた1ヶ月の通信量の超えると、翌月まで通信速度が128kbpsまで低下します。低速化を解除する場合は、通信量500MBごとに500円の追加料金を支払わなければなりません。
また、混雑を回避するため3日間の通信量を10GB以上使った場合は、翌日の夕方18時から夜中の1時まで通信速度が約1Mbpsまで低下します。
Yahoo!Wi-Fi
・1ヶ月の通信量5GBのお手軽プラン:月額2480円~3696円
・使い放題のたっぷりプラン:月額3696円~4380円(※)
※使い放題にするには月額648円のアドバンスオプションへの加入が必要です。加入月より最大3ヶ月間無料で使えます。アドバンスオプションに加入しない場合、1ヶ月の通信量は7GBです。
通信量を超えたときの速度制限のルールはワイモバイルと同じです。
ネクストモバイル
・1ヶ月の通信量20GBのギガネクスト20:月額2760円~
・1ヶ月の通信量30GBのギガネクスト30:月額3490円~
・1ヶ月の通信量50GBのギガネクスト50:月額3490円~
速度制限のルールは、料金プランで決められた通信量の上限を超えたときのみ約200Kbpsに低速化します。他のプロバイダのように3日間の通信量の上限はありません。
WiMAXの利用がおすすめの人、不向きな人
ほとんどのプロバイダが無制限プランを用意しているので、接続エリア内であればポケットWi-Fiよりも幅広い用途で使えます。しかし、WiMAXの利用に不向きな人も少なからずいます。おすすめの人と不向きな人をまとめてみました。
高品質の動画やゲームの利用もOK!マルチに利用可能
WiMAXは最大通信速度が220~768Mbpsと高速通信が可能なため、高画質な動画サイトや3Dゲームもストレスなく使えます。
3日間で10GB以上通信量を使うと、速度制限がかかりますが、低速化しても1Mbpsは通信速度が出るため、通常のYouTube視聴やインターネットは問題なく閲覧できます。
速度制限の期間も翌日18時から夜中の2時までと短期間。普通に使う分にはスマートフォン、パソコンとマルチに問題なく利用できるでしょう。
WiMAXを使うなら「初期費用と端末代が無料」で「他社乗り換えの違約金負担」「月額料金が業界最安値の2726円」のBroad WiMAXがおすすめです。
自宅で夜間仕事をする人は少し心配かも…
先程も説明したようにパソコンは想像以上に通信量を消費します。3日間通信量の上限があっという間に超えて、1Mbpsまで低速化することもあります。
低速化してもインターネットでの調べ物や、Officeソフトを操作するぐらいだったら問題ありません。しかし、CADやPhotoshop、Illustratorなどで作成した大容量ファイルを取引先に送ったりするときに動作がもたつくこともあるでしょう。
少し特殊なケースですが在宅勤務の正社員、フリーランスなど夕方から夜間にかけて仕事をする機会がある人はWiMAXよりも光回線を使った方がいいかもしれません。
ポケットWi-Fiの利用がおすすめの人、不向きな人
ポケットWi-Fiの利用がおすすめできる人と不向きな人を調べてみました。モバイルWi-Fiルーターの購入を検討している人は参考にしてみてください。
ポケットWi-Fiの利用がおすすめのケース
・格安SIMの通信量節約
WiMAXが使えない地域で格安SIMを使っている人が、通信量を節約したときいときにおすすめです。特にネクストモバイルはたったの2760円で1ヶ月に50GBの通信量が利用可能です。
・外出先の公衆Wi-Fiの回線速度が不満な人
外出先からスマートフォンで映画や音楽、ゲームを楽しみたい人もいますよね。最近は駅構内、コンビニ、ホテル、商業施設などで無料の公衆Wi-Fiが使える場所が増えてきました。
しかし、回線が混雑しているときは、Wi-Fiであっても格安SIMよりも通信速度が遅くなることも少なくありません。外出先でストレスなくサクサクインターネットを使いたい人にもネクストモバイルなどポケットWi-Fiの利用はおすすめです。
自宅でのパソコン利用はNG
光回線のように自宅でのインターネット接続でポケットWi-Fiを使いたい人にはおすすめできません。一部プランをのぞいて、ポケットWi-Fiには1ヶ月の通信量使い放題プランがあまりありません。
多くのプロバイダが1ヶ月の通信量を5GB、7GBで用意しています。ネクストモバイルのような20~50GBの大容量プランを用意しているプロバイダもありますが、それでも自宅でのインターネット接続には向いていません。
パソコンに接続した場合、想像以上に短期間で大量の通信量を使うからです。スマートフォンとパソコンを同時にWi-Fi接続すると3日間で30GB以上使うことも少なくありません。
50GBの大容量プランが用意されているネクストモバイルでも、1ヶ月の通信量の上限をあっという間に超えてしまうことでしょう。
通信量の上限を超えると翌月まで約128~200kbpsの低速通信になり、画像ファイルが多いWebサイト閲覧や動画の視聴が満足にできません。ストレスなく使えるのは、せいぜいメールの送受信、画像が少ないWebサイトの閲覧ぐらいです。
まとめ
一見、同じように見えるWiMAXとポケットWi-Fi。しかし、よく調べてみると通信規格、通信速度、接続エリア、料金プラン、速度制限のルールとサービス内容はかなり異なります。
どちらにもそれぞれメリット、デメリットがあります。またプロバイダのキャンペーンの種類も様々です。
どれを選ぶにせよ、自分の使い方にあったものを選んで快適なインターネットライフを送ってくださいね。